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イベントレポート——Spiral Schole 2015/6/20(sat)

産後のパートナーシップについて、男女がともに学ぶ場を——Spiral Schole  2015/6/20(sat)

産後のパートナーシップについて、男女がともに学ぶ場を——Spiral Schole 2015/6/20(sat)

 

こんにちは、編集担当の大島です。「ママプレナーズ」で扱うテーマを模索するために、いろいろなイベントやセミナーに顔を出しては迷い、迷いながら原稿を書いているこの頃です。先月も、6月20日(土)に東京・青山にあるスパイラルにて開催された「Spiral Schole(スパイラル スコレー)」のプログラムに参加してきました。この日のテーマは、カップルで学ぶ産後ケア。「こんなはずじゃなかった!?カップルで学ぶ、産後とパートナーシップの現実」というタイトルで、産後セルフケアインストラクター(NPO法人マドレボニータ)の吉田紫磨子さんがお話してくださいました。

参加者の方は、全組がご夫婦。まさに生まれたばかりのお子さんがいる方や、2人目が生まれる予定の方などさまざま。やはり男性は、奥様に連れられて参加したという方がほとんどでしたね。プログラム終了後にお話をうかがった男性陣は「知らないことが多かった」と口をそろえておっしゃっていましたが、女性の私でもはじめて知ること、勉強になったことがたくさんありました。

そこで今回は、このプログラムの内容についてレポートしたいと思います。

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【今回参加したイベント】

【今回参加したイベント】

「こんなはずじゃなかった!?カップルで学ぶ、産後とパートナーシップの現実」

2015/6/20(sat)

■講師:吉田紫磨子さん(NPO法人マドレボニータ認定産後セルフケアインストラクター)

■企画:Spiral Schole

http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_1464.html

 

■スパイラルとワコールの共同企画「Spiral Schole」とは?

表参道に拠点を持つスパイラルと、その運営母体であるワコールが共同でスタートした新たなエデュケーションプログラムが、「Spiral Schole(スパイラル スコレー)」です。

“1985年の創業以来、ワコールの企業理念「女性のこころとからだを美しくすること」を目指し、現代女性のコミュニケーション基地として多彩なアートプログラムを発信してきたスパイラル。今、女性達はそれぞれのライフステージによって、仕事、勉強、出産、育児、介護、趣味など、多角的なライフスタイルを送っています。本プログラムでは、スパイラルとワコールがこれまでに培ったノウハウとネットワークから選び抜いた、経験豊かなプロフェッショナルを講師として迎え、様々なニーズに合わせた4つのカテゴリーの講座を開設いたします。” (公式サイトより引用)

http://www.spiralschole.com/

 


 

「産後うつ」になってはじめて知った、産後ケアの重要性

今回の講師である吉田紫磨子さんは、NPO法人マドレボニータに所属されている産後セルフケア専門のインストラクター。マドレボニータは、出産後の女性に対する心身のサポートをしている団体です。吉田さんは、なんと2歳〜13歳まで4人のお子さんを育てているワーキングママ! 現在は子育てをしながら、イキイキとご自分のお仕事をされていますが、1人目のお子さんを出産したとき、「産後うつ」に苦しんだ経験があるのだそうです。

「当時私がいた会社では、女性は寿退社が当たり前。当然、私も子どもができて退職し、専業主婦になりました。はりきって出産に挑んだものの、生んだ後が大変だったんです。身体はあちこち痛いし、骨盤はぐらぐら、授乳でフラフラ……でも“こんな状態なのは私だけなのかも”“しんどいなんて言えない”と、ずっと口に出せずにいました」と、吉田さん。こうした身体の状態は、すぐに心の悲鳴に変わりました。今でこそ「産後うつ」という言葉が広まりつつありますが、当時はまだ一般的ではなかったのだといいます。

「自分はこんなに辛い思いをしているのに、夫は今まで通りに生活をしていて。その姿をみて、“なんで気づいてくれないの?”と、夫婦の距離が離れていってしまったんです」ーーやがて子どもを抱き上げることも辛くなってしまったという吉田さんですが、「産後のボディケア&フィットネス教室」に出会って、ようやく「辛かったのは自分だけではなかった!」という事実を知り、産後ケアの重要性を痛感。さらにその知識が男性はもちろん、女性にもほとんど知られていないということについて、大きな課題を感じるようになったのだそうです。

 


 

出産直後の家族をおそう「3つのクライシス」とは

出産直後の家族をおそう「3つのクライシス」とは

▲産後セルフケアインストラクターの吉田紫磨子さん

 

ご自身の体験に続き、話題は「産前産後の社会的リアル」へ。ここでは、女性である私もほとんど知らなかったようなショッキングなデータが次々に提示されました。

世界的に見ても日本の新生児死亡率は非常に低く、「世界一安全に子どもを産める国」。でも単純に「産める」と「育てられる」がイコールなわけではありません。日本で子どもを産んだ後には“3つのクライシス”が待っているのだといいます。

 

1)母親の危機

現在、日本では出産した女性の10人に1人が「産後うつ」を経験しているといわれています。しかしこの数字はあくまでも自分で心の状態を認識し、病院にかかって「うつ」であると診断された人の数。吉田さんは、潜在的に「産後うつ」を抱える人は出産経験者の7〜8割いるのではないかと考えているそうです。

 

2)乳児の危機

安全に産まれても、安全に育つことができない子どもたちがいるーーその要因となっているのが、乳幼児虐待。現在の日本では、虐待による犠牲者の半数近くが0歳児なのだといいます。また他殺による被害者数も0歳児が突出して多く、その加害者の6割は実母というデータが……。

<紹介書籍>

「ルポ虐待」(杉山春:著/ちくま新書)

「コウノドリ」(鈴ノ木ユウ:著/モーニングKC)

3)夫婦の危機

いわゆる「産後クライシス」。年々増え続ける離婚件数のうち、3割が0~1歳児の子どもを持つ夫婦です。吉田さんいわく「子どもが産まれたばかり、超多忙で大変な時期にわざわざ離婚したい!と思うくらい思い詰めてしまうのが、この産後クライシスです」。実際、産後に「離婚」の文字が頭に浮かんだことがあるか、という質問に対して「はい」と答える女性は、全体の半数におよぶのだとか……。特に女性から夫への愛情は、突然減ってしまうという統計データもあるそうです。

<紹介書籍>

「産後白書」(マドレブックス)

 

こうした一つひとつの問題について、断片的な理解はしていたつもりでした。しかし、こうしていざ明確なデータで示されると、その課題の大きさを感じずにはいられませんでした。

 


 

夫婦のパートナーシップはなぜすれ違ってしまうのか?

 

こうしたさまざまな産後の危機を、夫婦で乗り越えるためにはどうすればいいのか。第一子出産後に産後うつに悩まされた吉田さんは、パートナーと何度も話し合い、お互いのパートナーシップを見直されたのだそうです。

「よくよく話をしてみると、1人目の子どもが産まれたとき、夫は『今以上に仕事をがんばって、家族のために稼がなければ!』という使命感に燃えて働いていたそうなんです。でも、私は日中家で子育てに翻弄されていて、夫に少しでもその悩みを聞いてほしかった。夫婦それぞれの想いが、全く共有されていなかったんですね」と、吉田さん。その経験を踏まえて、2人目の出産をめぐり、その溝がどうしたら埋まるのかを徹底的に話し合ったのだとか。

「私も働きたい。どこかで社会とつながっていないと、またうつになってしまいそうで怖いーーそして、そんなに稼がなくてもいいから、できるなら毎日早く帰ってきてほしい。その気持ちを、夫に正直に伝えました」

大切なパートナー同士、幸せのカタチを共有することが何より大切だということ。決してお互いを憎く思っているわけではない。むしろお互いのこと、家族のことを思っているからこそ生じてしまう夫婦のすれ違い。「なんでわかってくれないんだ!」と憤る前に、それぞれの本音をきちんと伝え合う必要があることがよくわかりました。4人のお子さんを育てている現在でも、吉田さんご夫妻は月に1度、お子さんを預けて夫婦2人だけでいろいろなことを話す時間を作っているのだそうです。そうした機会を意識して作ることが、産後の危機を夫婦で乗り越える一つの方法なのかもしれないですね。

 


 

出産直後こそ「家族水入らず」ではなく「外の風」を!

また、吉田さんは出産直後の時期を夫婦だけ、家庭だけで解決しようとするのではなく、知人・友人や産後ドゥーラ、ヘルパーなども含めた“外の風”を入れることも大切だと考えているのだそうです。出産直後の家庭というのは、他人からみると「赤ちゃんが産まれたばかりで幸せいっぱい」「家族水入らずの方がいい」と思われがち。(確かにそうですよね)でも現実問題として、新生児の世話というのは24時間体制であり、吉田さんいわく「本来であれば、不慣れな男性がサポートしきれる家事・育児量ではない!」とのこと。

だからこそ、育児を夫婦で抱え込まずに、もっと社会や人を頼って身を委ねてもいい。人を頼る代わりに、周囲に対して感謝する気持ちを学ぶ時期ととらえればいいのだと、吉田さんはいいます。人を頼るといっても、何日もべったり誰かに依存しようということではありません。例えば「この日のこの2時間だけお願いしたい」「夕方の買い物を手伝ってほしい」などというようなピンポイントのお願いの仕方であれば、頼る方も、頼られる方もぐっとハードルが下がります。

「人間にとって、頼られることは、実は喜びであったりもするんです。それに、この時期は血縁以外のつながりをつくるチャンスでもあります。子どもは家庭だけで育てなければいけないわけではありません。子どもは、そうした関係性も含めた社会の中で育っていくものですからね」

 


 

大切な家族だからこそ、コミュニケーションは難しい

最後に、参加者全員で簡単なワークを実施。夫婦がお互いにテーマを決めて自分の考えを伝え、話を聞いた側が相手の話を要約してみるというものでしたが、みなさん実際にやってみるといろいろな発見があったようです。

●自分の気持ちを伝えたつもりでも、実際に要約してもらったら自分と理解が違っていた! コミュニケーションの難しさを感じた。

●自分が話したいことを話してすっきりすることと、相手に正しく理解してもらうというのは違うということがよくわかった。

●夫婦で、パートナーシップについて話す難しさを感じた。一番大切な人だからこそ態度で示してしまい、「察してくれないかな……」という気持ちになってしまうのかもしれないと思った。

 

大切なパートナー同士だからこそ、コミュニケーションをとる難しさもあるでしょう。でもそこを乗り越え、お互いの気持ちをきちんと理解することではじめて、より深い家族の絆が生まれていくのかもしれません。そんなことを、ひしひしと痛感させられたプログラムでした。

 

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